株式会社呉英製作所

CBN・ダイヤモンド電着とは?電着受託サービスを開始

ダイヤモンド電着の受託サービス

呉英製作所では、お客様のご希望の用途に合わせて、製品や工具へのダイヤモンド電着を施すサービスをご用意しています。

  • 特殊形状のカスタム工具
  • 特定の用途に合わせた表面処理
  • 新製品の開発

その他、さまざまなご要望にお応えします。ダイヤモンド電着に関するご相談やお見積りは、ぜひ呉英製作所までご連絡ください。

ダイヤモンド電着

ダイヤモンド電着とは?

ダイヤモンド電着とは、ダイヤモンドの微粒子を電気的に金属基材の表面に強固に固定する先進的な加工方法です。電気めっきの原理を応用し、導電性のある金属母材にダイヤモンド砥粒を直接結合させることで、従来の接着剤による固定では実現できない強度と性能を発揮します。
この技術により、金属表面にダイヤモンド粒子が強固に固定され、高硬度・高耐久性・高精度な加工工具や部品を製造することが可能になります。

  1. ・砥粒について
  2. ・ダイヤモンド電着の技術
  3. ・ダイヤモンド電着ができる一般的な材質
  4. ・ダイヤモンド電着の主要用途
  5. ・ダイヤモンド電着の可能性
  6. ・ダイヤモンド電着の受託サービス

砥粒について

砥粒とは、工具に付着させて研削や研磨に使用する微細な粒子のことです。一般的な砥粒としてはAl2O3やSiCが挙げられますが、高硬度材料の加工には超砥粒が用いられます。以下、超砥粒について詳しく解説します。

高い

硬度

低い
超砥粒 ダイヤモンド
CBN(立方晶窒化ホウ素)
一般砥粒 SiC(炭化ケイ素/シリコンカーバイド)
Al2O3(酸化アルミニウム/アルミナ)

超砥粒に分類されるダイヤモンドとCBN

超砥粒は非常に高い硬度を持つ砥粒を指し、一般的にはダイヤモンドとCBN(立方晶窒化ホウ素)を意味します。

ダイヤモンドは地球上で最も硬い物質です。ビッカース硬度は7000で、これは天然鉱物の中でダイヤモンドに次ぐ硬さを持つ、ルビーやサファイアの3倍以上の値※となっています。

※モース硬度9をビッカース硬度2100程度と換算した場合

一方、CBNは人工化合物ですが、ビッカース硬度は4700〜5000で、ダイヤモンドに次ぐ硬度を持つ物質です。鉄と化学反応を起こしにくいため、鉄系材料の加工に適しています。また、高温耐性があり、加工速度を上げた場合にも安定した性能を発揮します。

ダイヤモンドとCBNの違い

ダイヤモンドとCBNは、いずれも超砥粒として非常に高い硬度を持つ材料ですが、以下のような重要な違いがあります。

硬度
ダイヤモンドのほうが硬度に優れることから、高硬度材料の加工ではCBNよりも選択されやすいです。耐摩耗性や仕上げ品質においても、硬度が影響するため、ダイヤモンド砥石が勝ります。

化学的性質
ダイヤモンドは鉄と化学反応を起こしやすいため、鉄系材料の加工には適していません。鉄系材料の加工では、鉄との化学反応が起こりにくいCBNを採用するのが一般的です。耐薬品性に関しては両者とも優れていますが、CBNは硝酸に溶解します。

熱的安定性
ダイヤモンドは高温に弱く、約700℃以上で酸化が起こり、硬度が維持できなくなります。これに対し、CBNは約1300℃の高温環境下でも使用が可能です。

CBNとダイヤモンドの使い分け方

CBNとダイヤモンドは、それぞれの特性に応じて使い分けられます。ここでは、材料による使い分けと、加工条件による使い分けについて解説します。

・材料による使い分け
一般的に、非鉄金属やセラミックス、ガラスなどの加工にはダイヤモンドが使用され、鉄系金属の加工にはCBNが使用されます。

ダイヤモンドホイールに向く材料 CBNホイールに向く材料
超硬合金
アルミニウム合金
銅合金
サーメット
セラミックス
石英、ガラス
樹脂(プラスチック)
フェライト、サマコバ磁石
石材
カーボン、FRP
炭素鋼
高速度鋼(ハイス)
合金工具鋼
ダイス鋼
ステンレス鋼
クロム鋼
クロム合金
焼結金属
センダスト
アルニコ磁石

・加工条件による使い分け
高温環境
加工時に700℃以上となる場合は、酸化による硬度低下が起こるダイヤモンドの使用を避けます。

加工速度
基本的にはダイヤモンドのほうが低速になるケースが多いです。例えば、電着ダイヤモンドホイール(乾式)の周速度の目安が700〜1200m/minであるのに対して、電着CBNホイール(乾式)の場合は900〜1400m/minとなります。

ダイヤモンド電着の技術

ダイヤモンド砥石の製造方法の一つに、ダイヤモンド電着という技術があります。この技術では、電気めっきの手法を用いてダイヤモンド粒子を金属の基材上に固定化します。具体的には、液槽内に懸濁されたダイヤモンド粒子が金属製のシャンクに電気を通すことによって表面に付着します。このプロセスにより、粒子が高密度に均一に配置され、切れ味が鋭く耐摩耗性に優れた砥石が製造されます。

ダイヤモンド電着の製造プロセス

1. 前処理工程

金属基材の表面清浄化 電着面の粗面化処理 脱脂・酸洗による表面活性化

2. 電着工程

電解液中でのダイヤモンド粒子の分散 電流印加による粒子の基材への付着 金属イオンによる粒子の固定化

3. 後処理工程

余分な電解液の除去 表面仕上げ処理 品質検査・寸法確認

ダイヤモンド電着

ダイヤモンド電着ができる一般的な材質

区分 材料 特徴・用途
鉄系材料 炭素鋼・合金鋼 強度・剛性が高く、工具シャンクやホイール芯金に多用。コストも比較的低い。
ステンレス鋼 耐食性が必要な環境で使用。ただしメッキとの密着性を確保するため下地処理が重要。
非鉄金属 銅合金(黄銅・青銅など) 熱伝導性が高く、放熱性を重視する工具で使用。電着との相性も比較的良い。
超硬合金 WC-Co 高硬度・高耐摩耗性が求められる工具シャンクに利用。ダイヤモンド砥粒との相性が良く、高精度加工や長寿命化に有効。
※材質の選定基準は「用途(切削・研削・加工対象材)」と「耐摩耗・耐熱・耐食性の要求レベル」によって変わります。

電着とは、高硬度の砥粒を電着技術により工具や部品の表面に固定する加工方法です。CBNやダイヤモンドの砥粒を電着させることで、工具性能を大きく向上させることができます。本記事では、ダイヤモンド砥石の特徴と用途、電着の技術、ダイヤモンドとCBNの違いや使い分け方を説明し、さらに電着技術の可能性と受託サービスについても解説します。

ダイヤモンド電着の主要用途

  1. 1. 研削・切削工具

    超精密加工の要求に応える高性能工具
    セラミック加工
    • 工業用アルミナ、ジルコニア系セラミックスの精密研削
    • 電子部品用セラミック基板の高精度加工
    • セラミック製ベアリングボールの真球加工
    複合材料加工
    • 炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の切断・穴あけ
    • ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の精密加工
    • ハニカム構造材の切削加工
    超硬合金加工
    • 切削工具の刃先成形・仕上げ研削
    • 金型部品の高精度加工
    • 耐摩耗部品の表面仕上げ
  2. 2. 研磨工具

    ナノレベルの精度を要求される超精密研磨
    半導体製造
    • シリコンウェハの鏡面研磨
    • 化合物半導体基板の表面平坦化
    • MEMS素子の微細加工
    電子部品製造
    • 水晶振動子の周波数調整研磨
    • セラミックコンデンサの寸法調整
    • 磁気ヘッドの超精密仕上げ
    光学部品製造
    • レンズの非球面研磨
    • プリズム、ミラーの高精度仕上げ
    • 光ファイバー端面研磨
  3. 3. ドレッサー・砥石整形工具

    研削砥石の性能維持に不可欠
    • 研削砥石の目立て・表面再生
    • 砥石形状の修正・プロファイル加工
    • 砥石の切れ味回復処理
  4. 4. 滑り止め用途

    安全性と機能性を両立した表面処理
    工業用途
    • 搬送装置のワーク保持面
    • ロボットアームのグリッパー表面
    • 精密位置決め装置の固定面
    建築・土木用途
    • 階段・踏板の滑り止め表面
    • 作業足場の安全性向上
    • 車両スロープの摩擦増加
    手工具用途
    • 精密工具のグリップ部
    • 医療器具の把持部
    • 計測器具の操作部
  5. 5. 医療機器・装飾用途

    高い安全性と美観を要求される分野
    医療機器
    • 歯科用研磨器具
    • 外科手術用精密工具
    • 人工関節の表面処理
    • 医療用インプラントの加工
    装飾・宝飾用途
    • ジュエリーの精密研磨
    • 貴金属の表面仕上げ
    • 装飾品の彫刻加工
    • 時計部品の超精密加工

業界別活用事例

  1. 自動車産業

    • エンジン部品の精密加工
    • ブレーキディスクの表面処理
    • 燃料噴射装置の超精密部品加工
  2. 航空宇宙産業

    • タービンブレードの仕上げ加工
    • 複合材構造部品の精密切削
    • 耐熱部品の表面処理
  3. 電子・半導体産業

    • ウェハー加工用精密工具
    • 電子部品の微細加工
    • 基板製造用研磨工具
  4. 医療・バイオ産業

    • 医療機器の精密加工
    • バイオチップの製造
    • 診断装置部品の超精密加工

ダイヤモンド電着の技術的優位性

従来技術との比較

項目 ダイヤモンド電着 従来の焼結工具 一般研削工具
砥粒保持力 ◎ 非常に強固 ○ 強固 △ 中程度
加工精度 ◎ サブミクロン ○ ミクロン △ 数ミクロン
工具寿命 ◎ 非常に長い ○ 長い △ 短い
複雑形状対応 ◎ 優れる △ 制限あり × 困難
初期コスト △ 高い ○ 中程度 ◎ 安い
ランニングコスト ◎ 非常に安い ○ 安い △ 高い

ダイヤモンド電着の可能性

ダイヤモンド電着は、その優れた硬度と耐摩耗性を活かし、多様な用途で可能性を広げています。以下、ダイヤモンド電着のさまざまな応用技術について説明します。

滑り止め表面

ダイヤモンド電着を施した滑り止め表面は、以下の用途で活用されています。

・工場での活用
パーツ搬送ラインやワーク保持部品において、滑り止め効果は極めて重要です。ダイヤモンド電着による滑り止め表面は十分な摩擦力を発揮するため、ワークの確実な保持・移動を保証します。これにより、加工機械のトラブルや不良品の発生を抑えることができます。

また、ロボットアームのグリッパーや加工機のクランプ部分に使用することで、加工精度のさらなる向上も可能です。ダイヤモンド電着の滑り止めは、ファクトリーオートメーション(FA)を支える技術のひとつといえるでしょう。

・精密作業用器具での活用
精密作業用のピンセットや医療用マイクロ手術器具の先端にダイヤモンド電着を施すことで、微細な対象物を確実に掴むことができます。電子部品の組み立てや宝飾品の加工、あるいは外科手術において、効率性と安全性を高めます。

装飾的要素

宝飾品やファッションアクセサリーにダイヤモンド電着を施すことで、独特の質感や見た目を実現できます。従来の研磨技術では得られなかった微細な輝きや質感の表現も可能になり、デザインの幅が広がります。ダイヤモンドの光沢を活かした、高級感あふれる逸品に仕上がるでしょう。

さらに、ダイヤモンド電着によってアクセサリーに耐久性を付与することも可能です。日常的に使用しても傷がつきにくくなり、長期間にわたって美観を保つことができます。

機能的コーティング

工具や機械部品の特定の部分にダイヤモンドを電着することで、摩耗や熱に強い保護層を形成できます。優れた硬度と耐摩耗性を付与し、工具の機能性を劇的に高めることが可能です。

切削工具や研削工具にダイヤモンド電着を施した場合、刃先の寿命が延びて交換頻度が減少し、作業の中断を最小限に抑えることができます。加工精度も改善されて歩留まりも良くなるでしょう。結果的に生産効率の向上につながり、加工コストの削減にも寄与します。

ダイヤモンド電着によって機械部品をコーティングするのも効果的です。摩耗が激しい高速回転部品や摺動部分に適用することで、部品の寿命を延ばし、メンテナンスコストを削減します。また、めっき液に別の材料を混合した複合めっきにすることで、撥水性や排熱性といった追加機能も付加できます。

ダイヤモンド電着の受託サービス

呉英製作所では、お客様のご希望の用途に合わせて、製品や工具へのダイヤモンド電着を施すサービスをご用意しています。

  • 特殊形状のカスタム工具
  • 特定の用途に合わせた表面処理
  • 新製品の開発

その他、さまざまなご要望にお応えします。ダイヤモンド電着に関するご相談やお見積りは、ぜひ呉英製作所までご連絡ください。

ダイヤモンド電着